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この国難のときに

2010/10/10 15:06

 

少し前、石原新幹事長が討論番組で民主党自民党の現状を論じるとき、「現政権はリベラル、小沢一郎氏は保守派でねじれが生じている云々」と述べていたことがあった。
 

私は驚いた。
小沢氏が保守派だとは私にはとても思えないからだ。
たとえば以前の自民党政権で防諜に消極的であったり、天安門事件後、天皇陛下に中国に御行幸いただいたということ・・・私はこれはとても日本を守る保守派による行動だとは思っていない。だが、特に小泉政権以降の自民党政権の押したり引いたり、柳のような交渉がすべて無益だったとも思わない。

 

保守とは何か、何を守ることだろうか。この問いは何度もなされてきた。戦後、日本は自らの防衛力を放棄することを強いられ、あるいはそのことで経済を伸ばす選択をしながら、根っこの部分では天皇陛下をはるかに聳える山のように静かに仰いできたと思う。日本人は文化も、伝統も、思想も、天皇制にその根を持っている。それによって武張った行動をとるのではない(明治以後は例外だったと思う)。権力の真空をこそ尊び、「“無”の価値」「“間”の存在感」を喜んできた日本人の心の豊かさは日本だけでなく世界を救えるものだと思っている。

 

そうしたことに感謝や、畏敬の念や、守るべきという義務感があれば、「陛下もきっとそう思われると思うよ」と陛下の心中を忖度したり、お体を気遣わない政務を強いたり、1ヶ月ルールを破って中国の実力者との会見を強いるようなことはありえない。経済的にどんどん積極的活動を起こすことには賛成だが、そのために自国を貶め、卑下することが対中外交に役立たないことも尖閣問題ではっきりした。

 

また、日本の国益のためにインド洋の給油がシーレーンを守ることがいかに必要かも痛感しないはずがない。この給油中止と、鳩山氏のあの恥ずべき10分間トークでイランの権益を手放すように言われたことが、中東における日本の存在感を一気に低下させ、イランにおける中国の台頭をいよいよ確実なものにしたことはいうまでもない。


イランはこのことに一定の理解を示したというが、中国がその代わりにいてくれるということにほかならず、ホルムズ海峡からのタンカーの航行の無事はどのように守られていくのか懸念は強まるばかりだ。日本の生命線を危険にさらすこの人物のどこに保守的な思いが感じられるだろうか。

 

自民党はこれからどうするのだろうと思うことがある。
まだ小沢氏と組みたいと思っている人が中枢にいるのだろうか。
それが保守的な選択だと思っているなら私は違うと思う。
もっと深い慮りがあるというのなら沈黙を守るばかりだが。

 

民主党政権は政治主導を唱えながら、公務員改革も自治労などの存在でできず、かといって官僚を使いこなすこともできず、批判されれば開き直り、事実を直視せず、国益を損なって政権を維持するだけの最悪のコースをたどりつつある。そして、マスコミは外資の支援により牛耳られている状態で、事実を曲げて伝える、あるいは伝えない自由を謳歌している。

 

どうすれば、この閉塞感を打破し、日本の生き残りをはかり、日本が持っている力で世界への貢献を促すことができるのか。この修羅場に核密約の有無や、核保有をしようとしたかどうかなどを過去にさかのぼっているような時間は日本にはない。
政治家が本心でそんなことを優先しているなら、政策の優先順位を決めるという政治的センスがまったくない、日本を担う資質に欠けているのだとしか言いようがない。

 

クロスカップリングのような、ノーベル賞ものの知恵を持つ人物が、日本が向かうべき目標と現実をうまく整合させ、動かせたら、それを支える人たちがいたら・・・と願わずにはおれない。


私に何ができるのか、有権者としての権利を行使することと祈ることだけだ。

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小沢氏に風は吹くのか

2010/09/27 00:25

 

政治は結果責任だ。
この言葉は重い。中国人船長逮捕の一件に対する「日本政府の対応」は当初私が懸念したとおりのものとなってしまった。
 

前原新外相が当初勇ましく強硬路線を主張したが、状況を読み誤り、最後は表向き検察の意志によって釈放されるという結末を迎えたのだ。
これによって日本は全てのカードを失い、4人の日本人社員は拘束されたままで外交大敗北との汚名を着せられた。一方、中国はいよいよ世界で恐れられ、そして警戒されることとなった。

 

政治を料理にたとえるのは安易かもしれないが、結果がまずいと許されないもののひとつとしてあえて書く。


たとえば、麺をゆでるとしよう。ゆでる途中で麺を締めるためにびっくり水を入れる人とそうでない人がいるだろう。だが、入れるならよく湯が沸いたところに麺を入れ、吹き零れる直前に入れるのが常道だ。入れないのなら、硬めにゆでて火を止める。

中途半端に湯が沸いたところに麺を入れ、迷いながら水を入れてしまったらどんなことになるか。

 

麺はぐずぐずになってしまう。とても食べられたものではなくなるのだ。


「それでも、論理的に水は入れるべきだったので、入れた。これでいいのだ」と主張する人は料理人としては論外だ。誰もこの麺を食べたくないだろうし、言い訳にもなっていない。

 

政治の話に戻すと、元首相補佐官の岡本行夫氏の言葉を借りれば、「こういった件はやるならやる、やらないならやらない」と言うことなのだ。

 

今朝の「新報道2001」を視聴し、岡田新幹事長の言説を聞いていて、「これはひどいなあ」と言う思いを新たにしたのだった。


「船長の釈放は検察の判断だ。政府がしたと誤解されているとしたら全く違う。谷垣禎一自民党総裁が『もっと早く船長を帰すべきだった』と発言したとの報道もあるが、それが本当によいのか。法を曲げてでも途中で船長を帰すべきだったのか。日本に全く非はない。賠償や謝罪は必要ないことは当然だ」
と彼は言った。谷垣総裁の発言は前後を見ればよくわかるのだが、あんなにまで情けない結果になるなら、と言うことだった。私は問題のないものだと思う。岡田氏が外交をわかっていないのか、はたまた自民党を批判することしかできないのか、せめて他党の幹事長の話を拝聴する大人さ加減があればと情けなかった。

 

まだ、早い段階で国外退去の方がいくらかましだった。日本側に非の無いことなどはじめからよくわかっている。中途半端に正しさを主張し、結果的にもたなくなって釈放と言うぐずぐずをよしと言い切るのはどう見ても無理がある。

 

今回の事件に関して、新聞各紙がそれぞれの見解を書いていたが、私は意外なことに朝日の社説の「ある文にのみ」共感した。

 

そもそも菅政権は最初に船長逮捕に踏み切った時、その後の中国側の出方や最終的な着地点を描けていたのか。 船長の勾留を延長した判断も含め、民主党外交の甘さを指摘されても仕方ない。苦い教訓として猛省すべきだ

 

このことに尽きると思う。中国政府の内情も、今回の動きが何を意味し、いくつかのシミュレーションや分析とそれに対する細かな対応を考えるということも行われてはいなかったように思われる。今の日本政府は事実上外交ができなくなっている・・・これが現状なのか。


だが、現政権のぐずぐず以上に許しがたいものがある。
ある首相経験者の発言である。

 鳩山前首相は25日、中国漁船衝突事件に関し、「私だったら事件直後に、この問題をどうすべきか中国温家宝首相と腹を割って話し合えた」と述べ、菅首相の対応を批判した。鳩山氏は、首相だった時に温首相との間で「ホットライン」(直通電話)を作ったと明かし、「ホットラインは菅首相にも引き継がれているはずだ」と指摘した。
(2010年9月25日23時21分  読売新聞)

 

確かに、鳩山氏は中国の首脳と和やかに話していたかもしれない。だが、口の軽い彼に温首相が腹を割るとはとても思えない。彼は首相職にあったとき、「東シナ海を友愛の海に」などと言うおためごかしをいい、米との関係を度重なる虚言でずたずたにし、日本のみならず東アジア全体の安全保障を危険にさらしてしまった。そのことがアジア全体のパワーバランスを不安定なものにし、中国の専横な振る舞いを誘発したといっても過言ではない。これら一連の問題の戦犯は実はあなたではないのかと言いたいのだ。

 

しかるに、政府がこの件で大変な状況だというのに、22日の夜、鳩山由紀夫前首相、小沢一郎幹事長、輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長の3氏は会食していた。 「聞くだけ野暮でしょ、楽しい話」と鳩山氏は上機嫌だったという。会食は菅首相への批判で盛り上がったようだ(産経新聞より)。

 

「今度は静かにしているという」小沢氏の発言も、ここで、中国とのパイプを使って現政権を支援することなどないということを婉曲に表現したものかもしれない。
思えば「尖閣はわが国の領土である」と、代表選のとき口にしたのは小沢氏だった。なのに、ここまでこじれて意見すら一言もないのはなぜなのだろう。
「天命が下れば」この言葉は経済界に向けられたものではとふと思った。このままでいけば、小沢氏の登板を待望する声が上がるだろうと予測している可能性もある。


小沢氏の金の問題も大阪地検の前田氏の暴走で、全てなかったことにされそうだ。悠々と政権の座につくことも考えられる。

だが、第七艦隊だけでいいといっていた小沢氏が、一体どんな安全保障政策を選択するのか、私は空恐ろしくてならない。韓国と一緒になって防波堤になろうとするのだろうが、日本がいよいよ危険にさらされるのではないかとの懸念が消えない。

 

野党、特に自民党はマスコミが牽制する中、どうやって日本にまともな政治を回復させることができるのか。国会での論戦には仕掛けと知恵が必要だ。

 

やはり、知性に支えられた防衛力と、防衛力に裏付けられた外交がない国、そして何よりも為政者に見識がない国の国民には安寧はない(どなたかがおっしゃるとおり、それを選んだのはほかならぬ国民なのだが)。

 

付け加えるならば、政治家は見識、胆力などよりもまず選挙の才能だというのが小沢氏の主張である。

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第二次菅内閣

2010/09/19 19:09

 

因果応報と言う言葉がある。
原因があればそれにふさわしい結果が生まれるということだろう。

 

日本経済に暗雲のようにのしかかる円高問題も、日銀の問題が大きいといわれているが、今の白川総裁が生まれるまでのいきさつは、民主党が2008年の日銀総裁に武藤敏郎・元財務次官を起用する国会同意人事案に反対したことから始まっている。主計出身の武藤氏を党政調に拒否されたため、独裁者小沢氏が大蔵省財務省出身者全てを否定した党内の揉め事がこの問題の出発点だといえる。自公政権を困らせるためなら何でもした民主の醜い所業として印象に残るものだ。

 

このことが現在の円高や金融問題に無関係であるとはわたしには思えない。そのときだけ、目先だけを考えた浅い思慮による決断が禍根を残していく。

 

中国駐在大使に丹羽宇一郎氏を抜擢したこともそうだ。
私は何度も書いたが、丹羽氏の能力は高く評価している。だが、この中国が軍事拡大に躍起になっている時期に彼を持ってくるということは軍事的な、また高度な外交的判断を要求されたときに躓くということを危惧した。
すると、彼を抜擢した理想主義のこの人がそれを補おうとしたのだった。

 

丹羽大使に異例の補佐体制 公使3人お目付け役

2010/07/16 23:52更新  産経新聞
 外務省は中国で初の民間出身大使として、近く赴任する丹羽宇一郎中国大使(前伊藤忠商事相談役)を補佐するため、中国公使(計5人)に入省時の研修言語に中国語を選択した「チャイナスクール」出身者で中国課長を経験した3人を送り込み、異例の補佐体制を敷く。今回の人事を民間人起用拡大の試金石と位置づける岡田克也外相の意向を受け、失敗させないための守りの布陣といえる。もっとも官僚出身にない独自色の発揮を求められる丹羽氏だけに“お目付け役”ともいえるチャイナスクールに早々と取り込まれるのか注目される。
外務省は6月17日付の丹羽氏の発令を受け、7月1日には筆頭の中国公使に横井裕前上海総領事を起用した。さらに堀之内秀久国際法局審議官と垂(たるみ)秀夫中国モンゴル課長も中国公使に充てることを内定した。外務省筋は「公使にその国を担当した課長経験者が3人もそろう人事は前代未聞だ。しかも3人ともエース級だ」と語る。
また、麻生内閣で首相秘書官を務めた山崎和之駐米公使も中国公使に横滑りさせるため、5人の公使のうち4人が同時期に入れ替わることになった。通常、大使館の人事は現地事情に慣れた幹部を残しておく必要から、総入れ替えのような人事は行われないが「丹羽氏を支えるため、なりふり構わず進められた」(外務省関係者)という。
丹羽氏は経営者としての実績はあるものの外交経験がないため、東シナ海ガス田の共同開発問題や、中国軍の海洋進出などの懸案に対応できるか疑問視する向きも強い。中国側も初の民間人大使に「様子見」の姿勢をみせているという。
岡田氏としては経済界から「三顧の礼」で迎えた丹羽氏が立ち往生する事態となれば、今後の民間人起用に支障が出かねない外務省としても民間人大使を妨害していないとの姿勢を示すため、異例のサポート体制が敷かれたようだ。
ただチャイナスクールをめぐっては、台湾の李登輝元総統への査証(ビザ)発給問題などで「中国との友好関係を最優先としている」と、強い批判も浴びてきた。チャイナスクールではない大使経験者は「丹羽氏には専門家の助言には耳を傾けつつも、いいなりにはならないバランス感覚が求められる」と指摘する。(引用以上)

 

岡田前外相の配慮もむなしく、中国の漁船が尖閣で巡視船に衝突して日本の海上保安庁に拿捕された件で、未明に呼び出された丹羽氏はのこのこと出かけていった。
民間人ならさもありなんと言うところだが、国を背負った外交官となるとこれはどうか。後に改めて抗議に出向いたが、もうリアクションとしては終わってしまっている。これは、先の日銀の国会同意人事のハチャメチャとは違い岡田氏の理想主義が完全に裏目に出たという事例であろう。

 

私は岡田氏には外相の仕事は以前から難しいと思ってきた。
といっても、落選しても法相で居座ったり、何より、脱税していても、国会で何の説明もなく首相を続けていた人物がいる中で問題は薄められて見えた。

 

岡田氏は国会においても、首相や官房長官に答えてほしいとされているときにあえて自分が答弁に立ち、しかもその内容が単に相手を非難したり、的を得ない意味不明なものであることが多かった。


虚しい思いでそうした場面を何度も見てきたのだが、懸念のピークはクリントン長官との会談後、彼女がふっと鼻で笑ってその場を出て行ったときだった。また原則論だけを大真面目に語り、交渉といえるものはなかったのだろう、或いは根底に中国を重視したその姿勢にぶれはなかったのだろうなどと想像したものだった。鳩山氏のとんでもない外交のフォローが大変だったのもあるだろうが、彼にはこの仕事は向いていなかったのではないか。

 

普天間や中国北朝鮮などの問題山積の中、彼ではこの難局は無理だ。

 

ため息の止まらない民主党代表選が終わって、森田実氏が関西のニュース番組で、内閣の人事で肝は岡田外相をはずすことだったと述べていたのにはなるほどと目の開かれる思いだった。
森田氏によると後任の前原外相横滑りはこの新しい人事の中で光り輝くものなのだそうだ。

 

前原氏が米とつながるしっかりとした人脈を持っていることは評価できる。対話もスムーズに運ぶだろうと期待したいところだ。次期首相と持ち上げる韓国は米韓とともに、対北で同じ方向を向いていけると安堵したかもしれない。
中国ロシアは警戒心を隠さない。特に中国は米に対して以前彼が中国の軍備拡大は脅威だと述べたことを忘れてはいないだろう。

 

彼がはっきり物を言うことは私はかまわないと思う。
だが、喧嘩の仕方を知っているのだろうかと疑問を持つ。相手と喧嘩をしながらもう片方の手で「交渉する力」を持っているかと言うことだ。


メール事件での脇の甘さ、国会で町村元外相相手に立ち上がって威嚇するような動作を見せた子供のような行動。
すぐキレてしまい、収拾がつかないでは国際政治の中で日本を窮地に立たせてしまうこともあるのではないかと言う危惧だ。

 

何度も書いてきたようにこの仙石内閣といってもいい第二次菅内閣は現実的に動いている。代表選前に、「新成長戦略実現会議」を関係閣僚や日銀、経済界、労働界の首脳を集めて開いたこと、また「税と社会保障の抜本改革プロジェクトチーム(PT)」を立ち上げると玄葉政調会長が明らかにしたことなどは遅きに失したとも思うが、小沢氏の影響力を排した中でやっと前向きになったのかとも見える。

 

前原外交もそうした中で、意固地なエキセントリックな(八つ場ダムの件のような)ものにならないよう、腰を矯めたしなやかなものになってほしい。

 

特に沖縄とどう話し合い、ものごとを前に進めていけるのか、問題はこれからだ。


綱領もないこの党の“党内野党”が、冒頭の国会同意人事さながらの権力闘争でまたもごたごたを始めるなら、自民党などの野党も政策の話し合いすらできず、日本は立ち行かなくなってしまう。そうした中でそれぞれの閣僚が自分の思惑で統制の取れない動きをはじめたら鳩山政権の悪夢再びになってしまうだろう。

どうしたら、この党の未熟さが補いうるだろうか(といっても金の問題で国会の証人喚問にも出ないような御仁の台頭はもう御免蒙りたい)。

 

どんな動きをするにせよ、因果応報、思慮の浅い無節操な外交にはその結果が必ず伴うことだけは首脳陣に肝に銘じてほしいと願うのみだ。
 

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忘れえぬ夢

2010/09/05 13:41

 

菅首相と小沢前幹事長の一騎打ち。小沢氏に質問が集中した討論の場を経て、コメンテーター、論客といわれる人たちが手のひらを返したように、或いは堰を切ったように小沢氏に傾き始めた。作られた大きな流れの中では声の弱いものが何か書き、叫んだとてたかが知れている。「法として問題ない、強いリーダーシップがあるのだから」の前に「法ではない、まず政治家のモラルが問題だ」などと言う意見は消し飛んでしまう。

 

子供が運動会の前にリレーで躓く夢を見ることがよくある。
私も昨夜夢を見た。

 

誕生した小沢首相のもと、官僚も、行政機構も大きく作りかえられていく。予算組み換えと言うよりは結果的には小沢氏を中心とする機構へと変わった。政策調査会はなくなり、一部の議員による議員全体への小沢氏の意思の伝達と言う形で政策が行われていく。陳情も直轄議員のもとに一本化。ゆえに小沢氏側近の議員の権勢は高まる。地方も民主党支持にことごとく塗り替えられていった。「公明党」「立ち上がれ日本」「新党改革」などとの連立が成立。与謝野氏が財政改革をつかさどり、消費税を徐々に上げていくという国民への「通告」を行った。舛添氏が年金問題を「一年以内に整理」と言う形で一挙に改革していた。もちろんマスコミは騒ぐこともない。


人権擁護法案、外国人参政権などもとおり、移民の増加とあいまって地方の政治状況は一変。日本の優秀な中小企業はほとんど外資傘下となり、大企業の本社機能は海外へ移っていった。雇用も外国人のバランスが大きくなり、日本人の若者の失業増加がますます顕著になるが、受け皿も声を吸い上げるところもなかった。

 

小沢氏の政治家としての資質を問題視する欧米諸国の論調を無視した手法に、次第に日本は外交的に準鎖国的状況に陥っていく。
日本はアジア、特に韓国に傾斜していく。中国は、西側とのパイプも太く、日本に対しては仮想敵国とみなしているため微妙な状況だ。もちろん日本の媚びる対中外交は健在である。だが、こうした状況に小沢氏は辞任し、傀儡に後を任せ、キングメーカーとして権勢を振るう。首相を国際世論に引きずりおろされ、

「かまうものか、日本に基地をおいて、戦争三昧だったアメリカは無視だ」
日本にはこうした論調が跋扈し、第二次大戦前夜のような思想状況が生まれ始める。

 

防衛では集団的自衛権を認めて、韓国と結びつき、国連の要請にこたえて海外へ自衛隊を派遣することが増えた。
やがてきな臭い動きに中東のアジアの権益を守るために大量の派兵と言う動きになり・・・。

 

夢はここまでだが、ぼんやりと目覚めた私はネットサーフィンをしていたときにチラ裏・・・チラシの裏と言う意味なのだそうだが、小沢氏のことをジークフリートにたとえた表現をしていた書き込みがあったのを思い出した。ジークフリートといえば、ゲルマン人の潜在意識に深く刻まれた英雄である。


そして夢とあいまって、昔読んだ新書の中に書かれていたスイスの心理学者ユングが第一次大戦前に見た英雄殺しの夢を思い出した。

 

・・・六日後に彼は、一人の見知らぬ茶色の膚の未開人と一緒に、さびしい岩山の中にいる夢を見た。それは星影が薄れつつある夜明け前で、東の空はすでに明るかった。突然、彼はジークフリートの角笛が山々に鳴り渡り、ユングと彼の見知らぬ友は、彼を殺さねばならないことになっていることを知った。二人はライフルで武装して英雄が現れるのを待った。すると、ジークフリートが、昇ってきた太陽の最初の光の中に山頂高く姿を現した。彼は死人の骨で作られた戦車を駆って、切り立ったがけをまっしぐらに降りてきた。曲がり角に差し掛かったときに、ユングと彼の仲間はライフルを発射した。ジークフリートは撃たれて死んだ。夢の中で三人は偉大で美しいものを殺した嫌悪と悲しみの中で、殺人が見つかることを恐れて逃げ出した。そこで土砂降りの雨が降り始め、全ての痕跡は拭い去られて、露見する危険からは免れたが、後に激しい罪悪感が残った。ユングは夢から醒めたが、この夢の意味はさっぱりわからなかった。・・・中略・・・そこで夢の意味を考え出すと、それはまさにそのころに、ドイツがやろうとしていることであるのに気がついた。英雄的に自分の意志を貫き、あらゆる困難を乗り越え、いかなる犠牲を払ってもやり抜こうとする当時のドイツがとっていた態度であった。それはもちろん、現実に起こりつつあったことと関係していたが、彼自身の行為とも深くかかわっていた。
無意識の声を聞くには英雄によって示される自我の強さはむしろ邪魔であり、それは撃ち殺されねばならないものだった。それは当時のドイツ人の無謀な試みに挑戦する不屈な精神のあらわれでもあったが、彼はその不屈な精神と自分の持つ英雄的な理想主義を捨てねばならないことをこの夢から知った。(「ユングの心理学」秋山さと子著より 引用以上)

 

どんなに心の中でこれは間違っていると私が叫んでも、流れと言うものは止められない、いや止めてはならないのかもしれない。

 

だが、日本が韓国と強く結びついて、中国に先鋭的な態度を示せば、中国は軍部の動きが強くなり、政治改革がうまくいかなくなる。結果内戦や環境問題で破綻を迎えるだろう。日本はたけり狂う赤い竜に呑み込まれて、数少ない資源も吸い上げられて汚染、アジア全体が終焉を迎える。

 

そうした動きがたとえば、昨年の衆院選、また、この前の参院選、そして目前の民主党代表選、一つ一つ日本人の意識、民意の結果を通して生まれていくのである。小さな流れが河となり、大海に注ぐように。
私たちの暮らし方、思い、目線、生きる際の重心の置き方、手のひらですくい上げるもの一つ一つが物事を変容させ、命を生み、或いは破壊していく。

 

保守とは一体何だろうか。何を何のために守ることを言うのだろうか。守るとは何をすることか、単に先鋭化することをいうのだろうか。

 

先にあげたユングは、1936年の3月、「ヴォータン」と言う一文を書いている。前述の書から拾うと、

 

中世をはるかに過ぎた今日、ドイツの若者の間に熱狂が巻き起こっているのは長いこと眠っていたゲルマン民族の古代神話の中の神ヴォータンが死火山のようによみがえって、活動を始めたからであると述べ、さらにヴォータンの目覚めとユダヤ人排斥運動との偶然の一致は指摘しておく価値があると付け加えている。その動きとは、ついに第二次世界大戦を巻き起こすこととなった。(引用以上)

 

私たち日本人は東アジアにおいて覇権、或いは利権をむさぼることの無益さを、第二次大戦において十二分に学習したはずである。だが、一部の政治家や実力者の深層心理の中にまだ燃焼しきれない、たぎるものがあるとするならば、それは少なくとも日本の神話の中からではない、異国の神が現れているのだと私は思っている。


天照大神は皇孫にあくまでも日本列島に行って統治せよとおっしゃった。分を超えるのは不相応なことだと今、私は考えている。


 

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いつまで遊んでいるのか?

2010/08/31 18:36

 

金正日総書記の訪中は見事成果を収めたようだ。

 

中国主席:正銀氏世襲を事実上容認 金総書記と会談

2010年8月30日 21時41分 更新:8月31日 0時14分
 【北京・米村耕一】中国と北朝鮮の国営メディアは30日夜、北朝鮮金正日キム・ジョンイル)総書記が26日から30日に中国を非公式訪問し、長春で胡錦濤国家主席と会談したと報じた。新華社通信によると、両首脳は北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の早期再開で一致。金総書記は中国の改革・開放政策を高く評価し、北朝鮮の経済発展のために中朝協力の強化を求めた。また、胡主席は会談で、金総書記から三男の正銀(ジョンウン)氏への世襲を事実上容認した。・・・中略・・・
ただ、北朝鮮の朝鮮中央通信は「自国の状況をそれぞれ通報」したと伝えたうえで、胡主席が「(中朝親善を)代を継いで伝えていくことは双方の歴史的責任だ」と述べたと強調。新華社通信は、北朝鮮が後継体制作りの契機にしようとしている9月上旬の党代表者会について、胡主席が「党代表者会の成功を祈る」と語ったと報じた。これは、正銀氏への世襲を事実上容認したものだといえる。(引用以上)毎日新聞

 

これに対して、米韓は全く違った対応を(意図的にか)見せている。


中国の制裁協力に期待=米調整官

【ワシントン時事】イラン北朝鮮制裁担当のアインホーン米調整官は30日、北朝鮮に対する追加制裁に関する記者会見で、「中国の協力を期待している」と述べ、近く訪中し、中国政府に制裁履行を求める方針を明らかにした。
 同調整官は「中朝間には合法的な貿易や援助などの経済関係がある」と指摘する一方、中国が国連安保理常任理事国として対北制裁決議に賛成した点に触れ、「中国政府との協議を続けていく」と述べた。(2010/08/3109:53)(引用以上)

 

金総書記の6か国再開意欲、米は慎重姿勢
 北朝鮮
 【ワシントン=本間圭一】クローリー米国務次官補(広報担当)は30日の記者会見で、北朝鮮の金正日総書記が訪中時、胡錦濤国家主席との会談で核問題を巡る6か国協議再開に意欲を示したことに関し、「北朝鮮に非核化の用意があるか見極めている」と述べ、協議再開に慎重な姿勢を示した。
次官補は「北朝鮮には挑発行為を停止するなどすべきことがある」とも述べ、韓国に対する敵対的行為の停止も対話再開の条件に挙げた。(引用以上)
(2010年8月31日13時34分  読売新聞)
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金総書記訪中を評価=韓国大統領

【ソウル時事】韓国大統領府によると、李明博大統領は31日の閣議で、北朝鮮の金正日労働党総書記が今年5月に続き今月26~30日に訪中したことについて、「金総書記が中国を頻繁に訪れることを肯定的に評価する。中国式の経済発展を見る機会が増え、北朝鮮経済によい影響を与えるだろう」と語った。(2010/08/31-11:24)(引用以上)

 

韓国政府、水害支援を北朝鮮に通知 非常食や生活用品など7億円相当

産経新聞 2010/08/31 12:51更新
 韓国統一省は31日、大韓赤十字社を通じて、北朝鮮に100億ウォン(約7億円)相当の緊急救援物資を送るとの通知文を送付したと明らかにした。北朝鮮が受け入れれば、2008年2月の李明博政権発足以来、政府関与による北朝鮮に対する初の災害支援となる。
通知文によると、緊急支援物資は非常食や生活用品、医薬品など。コメ支援は含まれない見通し。韓国側と中国側から、いずれも陸路で運搬することを提案している。北朝鮮の水害を受け、支援を検討していた。(共同)(引用以上)

 

北朝鮮をこれ以上孤立させず、中国だけに結び付けていくのではなく、韓国からも手を差し出しつつ、他方中国には北への制裁を迫っていく。
北の動きの目的と結果がわかってすぐの対応である(こうした動きが外交なのだと懐かしい感じを受ける。最近は日本でこういう動きをまず見ない)。


だが今回、中国が、北朝鮮の金王朝維持、(たとえ集団指導体制に移行してもその中心に)正雲氏を据えることを認めたということは非常に大きい。脱北者などの混乱を避けることができるのだから問題ない、北朝鮮と言う緩衝地帯があり続けるということが中国の意思だと世界に知らしめた。

 

問題は6カ国協議である。
これを開催して、北の核保有を事実上認める方向に動いていくのではないか。

だが、あらゆる点で問題の多い北朝鮮イランと同じくなし崩しに、「平和利用」のお墨付きをつけられては困るのである。

 

一番困るのはどの国なのか?

もちろん自分で自分を守ることすら難しい国、日本であろう。


しかるに、日本はこの大事な時期に拉致被害者の救出や、北の非核化への考え抜いた外交努力をしたであろうか。
特にこの10ヶ月あまり、民主党政権による創造的な外交と呼べる行動が起こされたようには見えないのである。

 

代表選へ向けて水面下の戦い真っ只中。
とてもそれどころではない。かくて、オーナーが、「俺が作った党を壊すなよ」と言う号令を出し、各政治家も、何とか政権のうまみを失うまい、解散で落選の憂き目に会うまいと、権謀術数にふけっている。これでいいのか。

 

実は日本こそ、米韓以上に自分の立ち位置を検討し、いざと言うときに備えてあらゆるシュミレーションをたて、手立てを考えなければならなかったのではないのか。
(彼らは「自民党政権時も」と言うかもしれない。だが、三男への政権移譲が決まろうとしている、北の分水嶺は「今」なのである。一切の言い訳は許されない)。

 

私が米韓の中国へのシフトにあまり性急に乗らないほうがいいのではと考えたのもこの点からである。たとえば周辺の軍備を増強するなら中国シフトだけではよくない。竹島もきちんと視野に入れるべきだし、まず日本としてどうするかについて考えてその上で参加すべきなのである。結果的に中国をただ単に刺激し、北に利益を与えてしまった。日本独自である程度の説得外交ができていたら・・・。

 

昨日、菅・鳩山会談で今後、民主党を率いていくトロイカ体制プラス1なるものが明らかにされたけれど、偶然にもプラス1は北朝鮮とゆかりの深い日教組のドン、輿石東氏だった。こうしてトロイカだか4人組だかの顔ぶれを見ると、支持団体や利権を代表する人物の集まりでしかないように見える。だが北朝鮮に近しい人が入ったからといってそれでうまくいくとは思えない。

 

「日本の」と言う視点をもてる人物はその中にいるのか。

北の非核化には中国の説得が欠かせない。


そこで、それを行うのが日本の政治家(誤解を恐れずに言えば、日本国籍と言う意味ではない、帰化していようが、生粋の日本人であろうが日本を第一に考え、かつ世界の未来に心を寄せている人物のこと)であるかどうかだ。


たとえば、カネの亡者で相手の国に媚を売り、ジャブジャブ支援金を渡せばうまくいくだろうといい、他国の人を深く考えずに単細胞扱いし、根拠もなく自国の歴史のルーツを適当に断定してしまうような人物が信頼されるだろうかと言うことだ。

 

まず、日本の安全を思い、その上で相手の国の立場に立って信念をもって、中長期的視点からお互いの外交を考えるという思想や哲学はそういう人物は持ち得ないだろうと私は想像する。そうしたことがそろった上で、理想主義ではない現実を動かす政策を打ち出し、納得してもらうことが必要なのだ。それができなければ日本の安全と未来は守られることはないだろう。

また、たとえ、現実に目覚めた人物がリーダーになってもそうした権力者の傀儡になり下がってしまうなら何の意味もない。

 

北の金総書記をはじめ各国の政治家は本当の命がけで外交を行っている。お遊びではないのである。

この時点で、一番目先のことしか見えていないのは民主党の一部政治家たちなのではあるまいかと私は考えている。


 

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金総書記の賭け

2010/08/28 01:56

 

26日から、北朝鮮の金正日総書記が訪中しているのだという。
本当にこれ以上ないと言うタイミングだと思う。

 

私的な訪問とはいえ、カーター米元大統領が北朝鮮にお客としてきているのである。従来なら、金正日氏が会談を行うのが自然だと思う。拘束されていたアメリカ人を引き取りにいくということに事寄せて、前後の段取りに含まれていることだと思われたからである。

 

だが、金正日総書記は中国に出かけてしまった。

 

米韓軍事訓練を黄海で行おうとして中国が拒否したのは記憶に新しい。最近の米韓の寄り添いぶりは中・朝から見れば、あまり気持ちのいいものではないのだろう。
それも、中国の不透明な軍事費の増大や、海軍力の拡大に端を発しているものなのだが、そうしたパワーバランスの変化がもろに北朝鮮そのものの存在に影響を与えようとしている。

 

韓国北朝鮮との統一を言い出し始めている。統一税を設け、財源にとまでいっているのだ(反対にあってすぐ引っ込めたが)。韓国主導の統一では国が民主化してしまい、おそらく金一族は今までのようには君臨できないだろう。金正日氏が恐れているのはそこなのではないか。

 

なんとしても三男の正雲氏にあとを継がせたい。

 

そのためにわざと世界に見せ付けるように、あらかじめある程度段取りをつけていたであろうカーター氏をほうっておいて中国に出かける。


一説によると三男を伴っているということだが、これだけ中国の立場を立てておいて、「世襲をなにとぞ」と認めてもらおうとしているのではないか。中国も悪い気はしないだろう。だが、北に関しては今、世界全体の非核化、テロ国家への武器売買に関する監視が厳しくなっている中で、中国の支援も、難しくなってきている面もある。

 

米韓の接近を逆手に取った金正日の生き残り大作戦。いつもながら天晴れといいたいところだが、彼の一族の生き残りのためにその陰で何十万もの北朝鮮の国民が苦しんでおり、その中には、拉致された日本人もいるのだということを思うと何らかの形で、早く北における改革開放がなされることを願うしかない。
そして、拉致被害者の救出に関しては金一族が支配者でなくなるしかないのではないか。或いは跡目を継いだ金正雲氏が「前政権の一部のしたことだから」とことごとく被害者を帰してくれるぐらいのことがあれば、世界も北に対する意識が変わると思うのだが。

 

だが、米のゲーツ国防長官はじめ何人もの関係者による「哨戒艦沈没には、正雲氏の後継問題が絡んでいる」という分析を聞くとそれも難しいのかとも思われる。

 

北にすれば、豊富といわれる地下資源も、中国に最優先で融通しているのだろう。カーター氏がレアメタルの話をしにきたのかは定かではないが、米がそれを狙っていることは想像に難くない。

 

そういう中で「中国が一番」といったからにはそれなりの報酬が北に与えられるはずだ。胡錦濤国家主席と首脳会談が実現したのだとしたら、どのようなことが話されたのか、中国は金一族支配の体制を保障するつもりなのか否か。金正日氏にとっては命がけの交渉だ。

 

そして、その結果がわが国にも大きな影響を与えることになるのは必至である。今後の日本の立ち位置には細心の注意が要る。

どのようなリーダーがそれを担うことになるのか。それが問題だ。

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日本は活路を見出せるか

2010/08/23 16:27

 

菅首相が経団連など経済界のトップとの会談を行うという報道がはいってきた。今朝、日銀の白川総裁と電話会談をしたばかりだが(市場介入はしない)、具体策は何もなく、それが失望を呼び、日経は下げた。

 

これなら経済財政諮問会議があった時代の方がよかったと思うのは私だけだろうか。
政治主導の象徴、国家戦略局などどこを探してもない今、何人かのお偉方を呼んで戸別に話をしている場合ではないのだと思う。「斬新で風変わりな」首相に近い人ばかりではなく、前にも書いたが、野党や民間の経済を動かしてきたエキスパートを一堂に集めて知恵を借り、手を打つべき時ではないか。


見ていると、菅氏らにとっては日本がどうなっても別に政権さえ維持できればあまりどうと言うこともなさそうだが、ここで経済がこれ以上深刻なことになればそれは小沢氏らの代表選での大きな攻撃目標となる、いやすでになっていると思われる。それは彼にとってもまずいのではないか。

 

涼しいところで故・大平首相の歩んだ道をたどるのも結構だが、どうも、自分の政治家人生をしみじみと睥睨しておられるようで、国民からはのんきに見える。そんな余裕は冷房もかけられず亡くなって行くお年寄りには縁のないものだ。片山さつき氏が言っていたが、

「中国が日本の国債を買い占めたら日本は終わるんです」


経済は経済でとどまることではなく、戦争としての側面を持っている。特に世界金融に詳しい人が民主党にはいないのではないかと思われる中、ミスター円こと榊原英資が円が79円くらいまでいくとテレビで言っていたが、では日本はどうして行くのか、何で食べていくのか、ダメージをどうかわし、何に力を入れていくのか、政府に指南できる人物はいないのか。

 

改革に飢えた国民が自民党にお灸をすえたくて選んだ民主党だ。
その実現不可能と国民も思っているマニフェストを金科玉条のように抱えてこれから歩んでいけるのか。鎖に手足を縛られて、農家への補助金を急げば、コルホーズ、ソフホーズのようなことになるだろう(昔、学校の先生にソビエトは平等を重んじる国家で、農業も国営で成果を挙げていると教えてもらったことがあったが)。


林業などは補助金をつけてでも助けなければと思うが、実際にカネと物が動き、地方がご飯を食べられるためには、外国に買い占められないように工夫した株式会社方式の大規模農業しかないのではと最近は思っている。人が地方に戻るためにはインフラ整備も需要だ。地方に裁量を任せた開発により、ユニークな展開を促す。
そして、その地方の個性を見極めリードする人材をこそ、まず育成或いは派遣すべきだ。

 

経済もまず助けなければならないのは企業が足腰を強くできるようにすることだ。自民党の石破氏が指摘したように、

 

「バラマキはやめ、そんなカネがあるなら企業の負担を減らし、投資を積極的にできるようにする。一日も早く法人税率を下げなければだめだ」と強調。民主党政権に対し「マニフェストを全部やめると言えないなら、優先順位の低いものは凍結すると言えばいい。経済効果が出ているのかを分析すべきだ」 (朝日新聞8月22日より、引用以上)

 

考えてくるとわかるように、これらの仕事は民主党だけではとてもできるものではない。先日、環境相の勉強会にみんなの党の渡辺代表が講師として招かれたそうだが、新党改革の舛添要一代表も、「(民主党は)みんなの党とだけ組んでも足りず、われわれが入れば過半数になる」と述べていて、連立する気満々である。

だが、渡辺氏や舛添氏には知識はあるかもしれないが、これからの日本を率いていくべき哲学や胆力があるとは思えない。
そして、それがなければ、目先のノウハウだけではこれからの国際社会の荒波を越えられるとは考えられないのである。

******************************
イランの原子力開発にゴーサインが出た今、イスラエルによる攻撃は現実的でなくなりつつある。ゲーツ国防長官が来年中の辞任を表明したのも、アフガンのこともあるが、中東の非核化(実際には平和利用の普及)が軌道に乗ったからではないか。

 

では北朝鮮をどうするか、それがテーマになろうとしているのだ。日本はどう判断し、進んでいくかが問われている。

中国に対峙するため、韓国と一体化していこうと言う動きもあるようだが、あまりにもなりふりかまわず、性急なのも気になっている。新聞によっては南北統一に日本が経済的に支援することも考えたほうがいいというニュアンスのものもあるが、もっと先に見据えたほうがいいこともあるのではないか。

 

2年前、北京オリンピックが行われていた折、グルジアのサーカシビリ大統領が、考えもなく先にロシアを攻撃して、その後侵入したロシアを非難し、大げさに騒いだのだった。

 

グルジアの未来 http://shoko011.iza.ne.jp/blog/entry/679532/
判断の材料 http://shoko011.iza.ne.jp/blog/entry/681263/

 

世界は同じくロシアを非難し、グルジアを支援しろと叫んだ。だが、そのとき、私はグルジアの指導者は愚かだと書き、思慮のない為政者を戴いた国民は不幸だと客観的に書いてしまった(その報いを昨年秋から受けているが)。あの時、アメリカは全面的にグルジアを支援すると言っていたが、やはり、ロシアはアブハジアなどから出て行かず、欧米は現在も静観したままだ。時の勢いではことは決まらなかった。だが、それを言うマスコミは今いるだろうか。

 

意を決してもう一度書かねばならないが、精神的に持たずに先に攻撃をかけてしまうような為政者が上に立っていては国民は守られることはないのである。そして、環境技術大国日本のトップが愚かであれば、東アジア全体を不幸にしかねない。一国のトップが愚かであれば他国がおいしいという時代ではもはやないのである。

 

来る民主党の代表選で私たちはどんな結果を見ることになるのだろうか。
 

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本当に仕分けられるものとは?

2010/08/18 19:07

 

菅首相が英気を養って官邸に戻ってきたのはうれしい限りだ。日本のこのところの経済情勢から、さすがに危機感を感じていたはずだから、休みの間にも方策を考えていて、すぐにも動きがあるだろう・・・と思っていた人もいただろう。涼しい軽井沢にも国民の怨嗟の声は届いていただろうと。

 

菅首相、追加経済対策「今は実態把握が必要」

菅首相は17日夕、2010年4~6月期の国内総生産GDP)の伸びが鈍化したことを受け、追加経済対策を検討していることを明らかにした。
首相は「3大臣から話を聞いた上で、しっかりとした取り組みをしていきたい」と述べ、 20日に荒井経済財政相と野田財務相、直嶋経済産業相から現状報告を聞く方針を示した。 首相官邸で記者団の質問に答えた。
対策作りの着手が遅いとの批判に対しては、「今はそれぞれの担当が受け持っている分野の実態を把握することが必要だ」と反論。「雇用情勢なども、現場を見て私なりに状況を把握した中で、どういう対策を打つことが適切なのか、現場の声も聞きながら判断していきたい」と強調した
これに関連し、国民新党の下地幹事長は17日の記者会見で11兆円規模の追加景気対策案を発表し、秋の臨時国会で補正予算の成立を目指すべきだとの考えを示した。20日に仙谷官房長官に申し入れる。
2010年8月17日19時35分 読売新聞(引用以上)
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100817-OYT1T00892.htm

 

少数政党が案を考えているが、仙谷由人官房長官や民主党の玄葉光一郎政調会長など司令塔などは夏休みである。のんきなものだ。「しっかり」と言う言葉の意味はわかっているのだろうか。


これから私なりに判断していきたい!?


指導者を国民がやさしく見守って育てましょうという青春真っ只中の新聞の論調もあるから安心してそういっているのかもしれないが、輸出産業、中小企業は真っ青だろう。

一体彼らは何を考えているのか。いや考える気さえないのではないか。

 

以前から、菅氏の本音、目標は、この国の産業形態の変革であろうと思っている。
今後の世界で脚光を浴びる産業(しかも民主党と融和的なと言う条件もはいるのだろうか)にシフトしていくということだ。そのこと自体には異論はない。


では花形ではなくなる、或いは民主党が選択しなかった産業はどうなってしまうのか。大まかに言って今まで日本を食べさせてきた産業は、その育成期から自民党のかかわりの深いものが多かっただろうと思う。そこから推して、また、今の彼らの対応からして次のように考えた。

 

彼らの言う「選択と集中」は一言で言えば、“溺愛と見殺し”と言うものではなかろうかと思うのだ。関係する産業、たとえば太陽光発電などではこれ以上ない注力を見せる。だが、そうでなければ・・・。


一番それを強く感じたのはトヨタが米でたたかれているときだった。
民主党は何かかばおうとするどころか、仕方がない、トヨタの責任だといわんばかりのコメントが流れただけだった。

あまりにも情がない。


政府与党と言うものはこれまでの日本の歴史を全てしょっているものだろう思う。
それが自分の党の関心外であれば平気で見棄てるというこの態度はどうであろう。公共事業や建設業を生業としてきた地方に関してもそうだ。


シフトするならするで違う道を開き、しかも掛け声だけではなくて人材やインフラを提供していくべきなのは国の責任だ。
しかるにCO2削減に寄与しない自動車産業とその裾野も知ったことではないし、窮地にある中小企業も、疲弊にあえぐ地方も、生き残れないなら諸外国に買われてしまえという勢いだ。

 

せめてソフトランディングする良識と器量はないのか、と聞きたくなるが、恣意的になされている可能性を思うと背筋が寒い。実に乱暴である。

 

前にも述べたが、とにもかくにも党の代表選が国の安全保障や外交の上に来る人たちの集まりなのである。

 

環境分野で日中の連携推進 鳩山氏と温首相が一致

【北京共同】中国を訪問中の民主党の鳩山由紀夫前首相は17日、温家宝首相と北京市内で会談、地球温暖化対策など環境分野で連携を進めていくことで一致した。温氏は 菅直人首相の早期訪中を招請した。
鳩山氏は河北省唐山市の工業都市視察を踏まえ「環境への配慮が行き届いている。こういうところで協力するのは大変意義がある」と指摘。進出する日本企業の支援策を日 本政府と民主党で検討していく考えを伝えた。温氏は「日中協力の要として、ぜひお願いしたい」と応じた。
鳩山氏は温室効果ガス削減に向けた技術供与中国向けに行い、協力拡大を目指す意向も伝達。多数の被災者が出た中国の大規模土石流災害に哀悼の意を表明した。両氏は 鳩山氏が首相在任中に提唱した「鳩山氏は民主党議員でつくる「日中環境協力推進議員懇談会」会長として訪中した。温首相との会談は、鳩山氏が首相を辞任する直前の5月31日以来で、この日は唐家セ ン元国務委員とも会談。温氏との会談には中山義活前首相補佐官らが同席した。
2010/08/17 20:28   【共同通信】 (引用以上)

 

発言が羽よりも軽く、外交には不向きであることは諸外国のお墨付きを得ているであろう前首相に外交をお任せしようと言うのも代表選のためである。中ロで腕を振るってほしいという申し出らしい。


「得意の外交」、特に鳩山家悲願のロシア外交となれば、鳩山氏もさぞかしやる気になっていることと思う。
だが、まず中国ではじめから「技術供与」など大盤振る舞いを約束するあたりが、情けない限りである。国民がその技術を得るためにどれほど汗を流してきたかなど彼には関心のないことだろうが(環境問題で協力することがきわめて重要であること、進めるべきだということは明記しておく)。
温首相が菅氏の訪中を求めていろいろ現実的に確認したいのも無理からぬことだと思ってしまう。

 

菅氏は前政権に比べればしたたかで現実的であるということは承知している。


だが、たとえば自衛隊幹部を総理大臣官邸に呼んで意見を聞くということや、経済対策の骨格を9月上旬に取りまとめるなどと言う話もどうしてもポーズに見えてしまう。
なぜなら。

 

「首相、宮崎県の口蹄疫復興基金に財政支援の意向」などと言う報道が流れてくる。できるだけ支援するというところまで読むとほっとするのだが、
口蹄疫対策特別措置法には地域再生の支援策として基金創設が盛り込まれており、知事は全額支援を求めたが、首相は具体的な支援額には言及しなかったというところに彼の本心を知ることができるからだ。他も推して知るべしと見てしまう。

 

また、「休暇の分散化案」であれば、国民の実に7割がそれを望まなくても、観光庁は再来年には導入するという。祝日などを共有し、なんとなくまとまっている国民の心理をばらばらにしていく意図ではと言う声も聞く。そういうことなら積極的に進めていくのである。そんなことよりホルムズ海峡の安全な航行を死守するために働いたらどうなのだ

 

国柄を守ろうとか、経済を堅実な流れにしようとか、安全を保障する気のない人たちに無理な仕事を押し付けるのもどうかと思うが、今の与党の顔ぶれを見てどこをいじっても国の安寧が得られるとは思えない。


戦後65年、長く安定してきた日本国民の生活そのものが仕分けされていくのを後3年見ていかねばならないのだろうか。

 

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東アジアの地殻変動?

2010/08/15 18:56

 

菅談話に関しては野党のみならず、与党内部でも抗議の声が上がり、閣僚の中でも不本意であると明らかにした人もいた(ちゃんとサインはしていたので何の意味もないが)。国内政治もままならないのに、何が談話か?納得のいかない国民の神経を逆なでするかのように今度は外務大臣が。

 

菅談話「朝鮮半島全体に及ぶ」 岡田外相明言、日朝交渉に意欲か
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100813/plc1008131816004-n1.htm

 岡田克也外相は13日の記者会見で、菅直人首相が日韓併合100年にあわせて10日に閣議決定した菅談話について、「その趣旨は朝鮮半島全体に及ぶと思う」と述べた。菅談話は韓国を名指しした内容で、日本との国交がない北朝鮮への言及はないが、岡田氏は北朝鮮に対しても「植民地支配」への反省とおわびを事実上表明した格好だ。
 岡田氏は「(日朝間では)戦後の問題についての日韓基本条約のようなものがない。そういう状況で、一方的に談話を出すことには必ずしもならない」とも述べ、政府として北朝鮮向けに新たな談話を出す予定がないことも強調した。
 北朝鮮との間では、平成14年9月に訪朝した小泉純一郎首相(当時)が金正日総書記と連名で署名した日朝平壌宣言で、「過去の植民地支配によって朝鮮の人々に多大の損害と苦痛」を与え、「痛切な反省と心からのおわびの気持ち」を表明している。岡田氏は、停滞している日朝国交正常化交渉の進展に意欲を示しているとみられるが、同氏の今回の発言を受けて北朝鮮が今後、「植民地支配」への補償を強く求めてくることにもなりそうだ
 また岡田氏は「植民地支配から100年というときに日本政府として何も言わないことはあり得ない選択だ」と語り、菅談話の意義を強調。民主党との十分な議論を経ずに談話を発表したことについても「議論すれば当然表に出る。政府の責任でまとめるのが普通だ」と述べた。(引用以上)

 

あの哨戒艦沈没に関与していたといわれる国といきなり日朝交渉?一体どういう神経をしているのか。恥も知らずレアメタルがほしいとうその一念なのか。現政府のでたらめさを見ていればそう考えても不自然ではない。

 

だが、ここでわたしはこれらの流れの元になっているものについて少し考察してみたい。
まずイランである。

 

イラン原発稼働を容認 米、反対姿勢から一転
配信元:
2010/08/14 10:20更新
 米国務省は13日、ロシアが建設を支援しているイラン初のブシェール原発稼働を容認する姿勢を示した。米国は、イランが核問題での強硬姿勢を変えない限り、同原発を稼働させるべきではないと主張してきたが立場を一転させた。
 ロシアが、国連安全保障理事会イラン追加制裁決議に賛成するなど米国に協力的な姿勢を示したことから、米側としても譲歩した形。(共同)(引用以上)

 

米ロともに、イランの原子力開発はIAEAの監視下にあることを口実に(つまり軍事転用されても責任はIAEAにあるということだ)、ロシアの影響下での稼動を容認したのである。これが何を意味するか。今まで核保有を許さないと振り上げてきたこぶしをおろすということだ。とすれば、「イランの友」北朝鮮も、ここで間違いなく自国の“平和な”核開発の正当性を主張するであろう

 

韓国大統領、北朝鮮に和合呼びかけ 光復節演説

2010年8月15日12時11分 朝日新聞
 【ソウル=箱田哲也】韓国李明博大統領は15日、日本による植民地支配からの解放65年を祝う「光復節」記念式典での演説で、北朝鮮との平和な統一に向けた3段階の統一案を示すとともに、その準備のために「統一税」を新設する構想を明らかにした。
 北朝鮮に対し、哨戒艦沈没事件のような軍事挑発の防止や朝鮮半島の非核化を訴えつつ、「北韓(北朝鮮)は今や現実を直視し、勇気ある変化の決断を下さねばならない」と和合の必要性を呼びかけた。 (引用以上)

 

まず、李大統領は本当に統一と言うことを考えているのであろうか。中国の意思はどうかと言うことである。中国が資本主義国家韓国が改革開放された北とひとつになって自国と国境を接することについてどう思うか。

 

北朝鮮側はまんざらではないと言うサインもみえている。

 

平壌科技大、6月から非公式に講義開始 南北の共同事業

2010年8月15日4時23分 朝日新聞
【瀋陽=西村大輔】北朝鮮政府と韓国の財団の共同事業として進められている「平壌科学技術大学」が、6月下旬から非公式に講義を開始していたことがわかった。同大関係者が明らかにした。4月に正式に開校する予定だったが、韓国軍哨戒艦「天安」沈没事件で南北情勢が緊迫したことなどから延期。現在のところ、9月に正式開校する方針だという。 (引用以上)

 

たとえ、中国がそれを許した場合でも、北との統一はドイツのときを考えてもとてつもない費用が必要となるだろう。

統一が事実上行われるかは不明であるとしても、これらの目的はただひとつ北朝鮮の非核化、あるいは核の平和利用である

大国はもうこれらの「ならず者国家」だの「テロ支援国家」だのの非核化をもうはっきりとあきらめた、そのために周辺国が手を打つということなのだ。

 

そして、そのために統一、改革開放を事実上の目的として、日本から巨額の過去の補償がなされようとしているのではないか。その布石がこの談話なのではないか。


意味不明だった金賢姫の件、国連主導の大々的な広島長崎の原爆平和記念式典・・・。わざと借りを作ったとしか思えない事共がこれでつながる(ついでに言えば、IAEAのトップが日本人であることも、ますます今後の展開の責任が重くのしかかるということも忘れてはならない)。

 

中国の南に韓国を中心とした連邦が出来上がる。民主党政権の政策の流れを見ていると日本も喜んでそのグループを支援し、仲間入り、下手をすれば包含されようと言う風に見えるが・・・。
与党だけが不透明に意思決定している現状ではそれを押しとどめる他党の政治家がいるとも思えず。しかし、そんなことが果たしてうまくいくのだろうか。

 

ここから先は、閉塞感漂う日本国内の政治を注視していくしかあるまい。
 

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なんちゃって政権の暴走 ニュース記事に関連したブログ

2010/08/13 21:47

 

民主党は政権奪取の前に、予算の組み換えで多くの財源が得られると豪語していた。だが、それはかなわず、参院の予算委員会自民党の林芳正氏は頼みの仕分けでとりあえず、大体どれだけの金額が出るのかと質問したのだった。

 

すると、蓮舫行政刷新相は額に関しては言及せず「仕分けするのは量より質です」と肩をそびやかして踵を返し、席に戻っていった。

 

林氏はあっけに取られた様子で、それを見送っていた。
かっこいいスーツで見得を切っている場合ではないのである。
財源を探さなければこの国の予算編成はどうなるのか。その額をどう調整するのかと林氏は質していたのだ。わからないなら仕分けを当てにせずに財源を探さなければならないのだ。そして、この政権はいざとなれば年金の積立金や外国為替準備金にも手をつけかねない怖さがある。


しかも、政策決定のプロセスが明らかにされない。

政治も経済も外交も。場当たりの行動や施策を行った挙句、質問に対してきちんと答えられない首相と閣僚たち。揚げ足取りや本質から話をそらして答弁するのはもう見飽きた。


この未熟に見える人たちに大事な国政を任せているのは、借金まみれの日本を仕分けや行政改革で何とかしてほしいという一縷の望みを抱いて民主党を選んだ国民だ。
だが、その借金はほとんどが今民主で静かにしている方が自民の中枢にいたころにこしらえたものだ。国民はそこに気がついていないように見えるし、小泉改革を悪の権化のように言ったりするが、それもかなりマスコミにデフォルメされたイメージによるものであることも確かであろうと思う。

 

こうしたイメージの元で無能な党がただ政権の維持をはかっている。

 

蓮舫女史に全てを押し付けるのは気の毒だと思うが、鳩山政権も現菅政権も彼女の人気で政権維持を第一義として、国会運営(そう呼べるかは疑問だが)を行い、はっきり言えば、質疑をやり過ごしてきた。その陰で日中韓全ての国で疑義を巻き起こした菅談話を発表し、その後逃げるように軽井沢で静養に入ってしまった。株価下落や、急激な円高に関しては注意深く見守るという野田財務大臣のコメントがあったきりで、市場はそれをあざ笑うように円を翻弄している。

 

民主が政権をとった際、わたしは数字の根拠のないCO2の25%削減や東アジア共同体への技術移転など、国内の産業が空洞化し、大企業は外へ逃げ、中小企業は倒れるしかないと何度も書いてきたけれど、今回の円高はどれほどのダメージとなるだろうか。ようやく民主の議連が対策を打てといい始めたようだが私はもう民主党内部でぐずぐず言っている場合ではないと思う。

 

今まで、命がけでこの国の経済を預かってきた政治家たちは(上げ潮派、財政再建重視派にかかわりなく)

「いいからそこをどけ!」といいたい思いであろう。

 

与野党の協議を今こそ行うべきではないか。首相は軽井沢などにいる場合ではない。自分のブレーンと語り合っている場合でも、自民の古い政治と言うイメージにこだわっている場合でもない。多くの経験者たちとまた民間の専門家たちと国民に見える議論を行い、或いはレクチャーを受け、皆で知恵を絞ってしかるべき手段に出るべきだ。


然るにこの状況で概算要求も近いのに民主党政調は閑散としているという。彼らには代表選しか見えていない。

 

普天間基地:国外移設派、訪沖へ 民主代表選の争点化狙う
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100812k0000e010051000c.html

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、民主党の「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」のメンバーら約20人が今月26、27日に沖縄を訪問することが分かった。
会長の川内博史衆院議員は同県名護市辺野古周辺への移設を決めた日米共同声明の見直しを求めており、9月の民主党代表選で争点化させる狙いもある
同懇談会関係者によると、沖縄訪問では、「国外移設」を主張し、11月の沖縄県知事選に近く出馬表明する見通しの伊波洋一・宜野湾市長と会談する予定で、共同声明見直しを求める同会の姿勢をアピールする。
福田衣里子、三宅雪子両氏ら昨年衆院選で小沢一郎前幹事長の支援を受けて初当選した議員も参加する予定だ。
川内氏は今年2月、初代会長の鳩山由紀夫前首相から会長職を引き継いだ。
米側の公表資料や在沖米軍関係者への聞き取りに基づき「普天間の移設先は米領グアム、米自治領北マリアナ連邦テニアンへ」と主張している。
在沖縄海兵隊のグアム移転計画を巡っては、米側が社会資本整備の遅れを理由に14年までの完了を断念し、新たに追加経費負担を日本政府に求めている。
川内氏は「米側は、日本側がグアムなどへの移設を持ち掛けるのを待っているのではないか」と指摘。訪沖を契機に「国外移設」を再びクローズアップさせる思惑もあるようだ。 (引用以上)

 

普天間の移設問題は自民党の石破政調会長が菅首相に「これは民主党の『党の意思』ですね」と今国会で何度も念を押していた。「御党にはグアムだ、テニアンだと言う輩がいるが大丈夫ですね。もし、そうなら自民は支援します」と。
加えて、12日公明党の山口那津男代表が沖縄県を訪問し、「(自公)政権での辺野古案には沖縄の皆さんの理解があった。それを破壊し、日米だけで合意したのがいまの政府のやり方だ。県民の理解のない目標は定めにくい」、 「振興のあり方など様々な意見を聞く場を設けて県民の理解を得ていく先に、(移設に関する)新たな合意がありうる」(朝日新聞8月12日より)と語り、動いていた矢先である。実際に行われるとすれば、あまりにもひどいタイミングである。

 

日本の、そして、東アジアの安全保障より上に民主の代表選が来るのである。

 

意見が違うのはいい。
だが、国の、或いは政府の意思が内外から曲解されるような行動を平気でとる政治家たち。

 

鳩山氏のグループが小沢氏の勉強会に顔を出す、また、夜の会合がいくつものグループで行われる。車から降り、マスコミに何か聞かれるたびに意味ありげな笑顔を浮かべながら、コメントする民主の人々。彼らの満足げな表情を見ながら、ああ、彼らはこれがしたくて政治家になったんだなあと思った。中山義活氏の「代表選に勝てそうなら責任が重い」などと言う発言を聞いても。至っていい気分なんだろう。彼らは政権を手中にして酔っている。

 

なんちゃって政権が政局ごっこに明け暮れているというのだ。
安全保障から経済、外交にいたるまで、どこが意思決定機関かもわからず、政調も歯止めになど全くなりえない(玄葉氏らは菅談話をどうして止められなかった)。
自民の谷垣総裁が、質疑で何度も繰り返していた「政治はプロセスだ、それを明らかにすべき」と言う言葉などどこ吹く風である。
その罪の重さは菅首相の言っていたとおり、やがて歴史が評価するのだろう。

 

首相はすぐ政治の現場に戻り、アマチュアらしくプロの意見を取り入れて日本の意思を示すべきだ。
さもなくば解散するのが最善の策である。
 

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